
暑い季節になると熱中症の話題で持ちきりです。
そんな中でも空調服は、熱中症対策の救世主的な存在として注目を集めています。
空調服を使用したことがない方にとっては、ピーンとこないかもしれません。
ここからは、空調服にはどんな効果があるのか解説していきます。
しかしながら、空調服も万能ではありますが完璧ではないことも理解する必要がありますので、そのメリットデメリットも検証していきたいと思います。
空調服をこれから利用したいなという方は、ぜひ参考にしてみてください。
空調服の効果に期待できることは?
空調服には、大きく分けて3つの効果に期待が持てると言われています。
①体への効果
②コストパフォーマンスへの効果
③仕事効率への効果
空調服を利用することで、それぞれどんな効果が得られるか見ていきましょう。
空調服の体への効果
空調服は、衣服の中に風を流して汗を蒸発させることで気化熱を奪い涼しさを実現しています。
そのため下着が汗でベトベトした状態になりにくく、下着を何度も取り換える必要がなくなり、快適な環境で仕事に集中できます。
そして、無駄な汗をかかないので体力の消耗を防ぐことができ、熱中症対策にもなります。
熱中症の主な原因は汗のかき過ぎによる水分や塩分が不足することであると言われていますので、汗を抑えるということが効果的だと考えられます。
ただ、汗を大量にかかなくても熱中症対策として、水分や塩分はマメにとる必要はあります。
汗をかくと気になるのが、汗臭です。
しかし、空調服を使用することで、汗の量が減る上に、風によって気化させるので乾きも早くなり汗臭を減少させる効果もあると言われています。
空調服のコストパフォーマンスへの効果
真夏の建設現場や工場内作業などは、想像以上に過酷です。
そのため、各企業は熱中症対策として様々な対策を講じているのですが、コストがかさんでしまっているのが実情です。
例えば、休憩室に扇風機やエアコンをガンガンにきかせて、スポーツドリンクや熱中症対策アメなどを用意したり、現場内に大型扇風機を各所に用意したりしています。
効果は限定的であり、毎年熱中症患者が出ているというのが現状です。
そこで近年注目されているのが、空調服の着用です。
今までの対策プラスアルファ空調服を活用することにより、必要以上の対策が必要なくなりコストを減らすことが可能となってきました。
大手ゼネコンでは、空調服の着用を義務化している現場も出てきているようです。
最近では、下請け業者でも会社から社員に、空調服を支給しているというところも増えてきていて、現場で多くの人が利用している姿を見かけるようになってきました。
空調服の仕事効率への効果
建設現場や工場内作業で、暑さ対策として使われてきたのが、扇風機が一般的でした。
作業場所を移動するたびに扇風機を持ち運び、設置するという手間がありました。
その上、作業中はあちこち動き回ることが多い仕事となると、扇風機では暑さを解消することができませんでした。
その点、空調服は着用するだけで、すぐに暑さを和らげてくれますし、その日の天候状況に応じて小型ファンの強弱の調整も可能なのでストレスなく作業ができます。
無駄な体力を消耗しなくて済み、仕事に集中することができて作業効率がアップすることに期待が持てます。
暑さ対策が充分でないと、暑さによって体調不良となり、休憩が増えてしまうことによる作業効率の低下も考えられます。
そして、熱中症になってしまったら、仕事を休むということにもなりかねません。
空調服を着用することにより、体調不良や熱中症のリスクを抑えることで、仕事効率のアップにつながるといえるでしょう。
空調服のメリット
空調服のメリットは、何と言っても手軽に暑さ対策ができるということではないでしょうか。
最近では、作業用品店やホームセンターだけでなく、ネットでの通販で簡単に購入できるようになってきています。
多くのメーカーが空調服の製造、販売に参入してきていて、品揃えも豊富で性能も向上し、ユーザーにとってはありがたい状況です。
そして、空調服は充電式のバッテリーで利用でき、電源が必要ないということで、外での作業にも問題なく使えます。
とくに、炎天下での作業では、照りつける太陽と地面からの照り返しでとてつもない暑さとなります。
空調服は、そんな悪条件の中での利用も増えてきています。
空調服は環境にも優しい
暑い夏になると、エアコンをガンガンにかけて冷やすということが当たり前になりつつあります。
環境には良くないと思いつつも、暑いから仕方ないという結論に至ってしまいます。
熱中症を防ぐためには、致し方ない部分もあります。
エアコンをまったく利用しないということは不可能ではありますが、空調服との併用により、エアコンの設定温度を少し上げることは可能です。
空調服の消費電力はエアコンに比べれば雲泥の差です。
空調服が環境問題に役立つ可能性を感じるのは、私だけでしょうか。
空調服のデメリット
空調服にもデメリットはありますので、そのことも頭に入れた上で活用していくことが必要です。
①バッテリーの充電忘れ
バッテリーは充電式ですので、マメに充電する必要があるのですが、忘れていると途中で止まってしまうという事態になり大変なことになってしまいます。
しっかり充電してあったとしても、あまりの暑さに1日中フル稼働していると途中で充電切れを起こすことも考えられます。
さらに、経年劣化によって使用時間が徐々に短くなってきます。
②空調服の使用環境によっては、小型ファンの故障の原因になる
建設現場では、ほこりや粉じんが舞っているという悪環境での作業を行なう場合には小型ファンに不具合が生じることもありえます。
さらに、小型ファンで外気を衣服の中に空気を取り入れますので、服の中がホコリで汚れてしまうということもあります。
③小型ファンや充電バッテリーが邪魔になる
最近では、小型ファンや充電バッテリーはかなり小型化してきていて軽量化も進んでいますので、それほど邪魔には感じなくなりつつあります。
しかし、狭いスペースでの作業や足場での作業などの際に若干邪魔に感じることがある場合があります。
④空調服が膨らんで作業に影響
空調服は、衣服の中に空気を大量に取り込みますので、どうしても衣服が膨らんでしまい作業がしづらいというケースも出てきてしまいます。
とくに長袖タイプですと袖が全体的に膨らんでしまいますので、気になる方は半袖タイプかベストタイプを利用するほうがいいかもしれません。
空調服にも、いくつかデメリットはありますが、多くのメリットを考えると、この程度のデメリットならばそれほど気にならないレベルではないでしょうか。
空調服の効果をアップする方法
空調服の効果を最大限引き出すための方法を紹介していきます。
①空調服のサイズは体に合わせる
空調服は、衣服の中に空気を取り入れて汗を気化させて涼しさを実現しているので、空気の流れが重要です。
ですので、空調服のサイズが自分の体型に合っているかどうかで効果に違いが出る恐れがあります。
サイズが小さすぎてピチピチですと空気の流れが少なくなり、汗を気化させづらくなり最大限の効果が得られないということもありえます。
逆にサイズが大きすぎても、空気があちこちから漏れてしまい、衣服の中を効率よく循環させづらくなる原因となってしまいます。
②汗をかく環境で使用する
空調服は、汗を気化させることで熱を奪い涼しくなるという仕組みですので、汗をかいた状態でなければ、その効果を最大限引き出すことはできません。
汗をかいていなくても、衣服の中に空気を循環させれば、ある程度は涼しくはなりますので問題はないと言えばないのですが。
効果を実感できるのは、やはり汗をかいた状態であることは頭に入れておくと良いでしょう。
③インナーによって効果に違いがある
いわゆる空調服の中に着る下着で、その効果は大きく違ってきます。
吸汗性と速乾性の機能を持ったインナーを着用することで、効率よく気化熱を発散させ、より快適に体を冷やすことが可能です。
最近では、冷感タイプも備えたインナーも登場していて、さらに快適に体を冷やすことができるようになってきています。
空調服も、利用の仕方によって大きく効果に違いが出てきますので、最大限の能力を引き出し、快適な環境でお仕事ができれば言うことないですね。
空調服の効果は?のまとめ
空調服には、3つの良い効果があることがわかりました。
体への効果
コストパフォマンスへの効果
仕事効率への効果
そして、メリットやデメリットも多くありますが、それらを加味しても、利用者には大きな利益がもたらされることが理解できたと思います。
さらに、熱中症対策にも欠かせない存在にもなりつつあり、これからますます注目が高まってくることは間違いないでしょう。
空調服のメーカーも年々増えてきていて、その性能も毎年スケールアップしてきています。
これからの空調服の動向から目が離せないですよね。